南米サッカーの1番分かりやすい特徴は、個の力でしょう。
つまり個人技で相手をかわせる技術を持っている選手が多くいるという事です。攻撃面では、組織力を使って相手のディフェンス陣を崩してゴールを狙おうとするよりは、選手個人が持っているテクニックを活かしてゴールチャンスを作り出そうとする傾向があると言えます。
南米選手の攻撃は、日本人選手にはない積極性があり、常にゴールに直結するような縦パスを狙っています。南米の選手には卓越した個人技があるため、パスを受けた選手が相手の守備陣に囲まれた場合でも慌てる事なくボールを保持する事が可能です。さらに南米ではサイド攻撃する際は、基本的に相手陣地に深く入ってからクロスを上げる傾向が強くなっています。
南米の強豪国であるブラジル代表の試合では、サイドでボールを保持している選手が相手陣地の深くまでドリブルしながらえぐり、ペナルティーエリアに近づいていくというシーンがよく見られます。そして、サイドバックの選手が相手エリア内に深く切り込んでいる間にフォワードの選手がゴール前に侵入し、クロスに合わせてゴールするという一つの形を持っているのも南米サッカーの特徴です。
サイトバックも他の地域とは違い、レアルマドリードのマルセロ選手を代表するように、とても高い攻撃意識があり高いドリブル技術があります。
一方、南米の守備は、ディフェンスラインはどちらかというと低く保たれている傾向があります。
ヨーロッパにおける守備の考え方は最終ラインを高く保つ事が基本的なコンセプトになっていますが、南米のサッカーでは基本的にディフェンスラインの背後のスペースをなくしてゴールを守る事が優先されています。
そのため、フォワードが高い位置から相手のボールを奪おうとする事は少なく、相手がある程度攻めてきた時にプレスをかけてボールを取りに行くようにしています。